第1章 堕ちた先は快楽地獄【両面宿儺 虎杖悠仁】
「は、笑わせるな。言いながらお前は獣のように腰を振っているではないか。節操のない」
「くそ、くそ……っ、俺だって、こんなの……っ!」
宿儺はまだどこか余裕そうに笑みを浮かべると下から突き上げながらも唇を奪い、悠仁は途切れ途切れに声を震わせながらも間断なく抜き挿しを繰り返し乳房を揉みしだいた。
同じ太さと熱を持った剛直に二つの入り口を容赦なく蹂躙されながら、誰のものかも分からなくなった体液が混じり合い、三人の身体を汚してゆく。同じ形の陽根の存在が、ぐりと襞越しにまたしても擦られて、その度に何度も絶頂に追いやられて、もう何が何だか分からくなってしまった。
「もう焦点も合っておらんな。余程気持ちが良いらしいぞ。なあ、小僧。俺とお前のどちらに責められるのが快いか、知りたくないか?」
「くそ、そんなこと、聞いて何になるんだよ……!」
「選ばれた方が、この女を好きにするというのはどうだ」
「は……?ふざけんな……!こいつは俺の……!」
互いに言い合いながらも、悠仁は宿儺に煽り立てられる度に腰の動きを速めて、何度も何度も背後から犯しつくした。どこか乱暴な律動ではありながらも、まだ慈悲のある悦楽を生み出す。それを補うように宿儺が放埒に下から貫けば、暴力的な快楽と相まって美代は懇願を始める。
「すき、すきぃぃ……っ!どっちかなんて、いやぁ……っ、どっちも、どっちもいっぱいしてぇ……っ!」
宿儺は下卑た笑みを浮かべて、悠仁を見上げた。
悠仁は宿儺を見下ろして、悔しそうに表情を歪めた。
彼女がそれを望めば望むほど、二人から与えられる強い快楽からは逃れられないことを悦びながら、欲望の赴くままに二人を求め続けた。
やがて、どちらともなく限界に膨らんだ精をびゅう、と惜しみなく放ち奥深くまで埋没する。
その瞬間、彼女の身体も限界に倒れ込んだ。
最後に見たのはいつかの夢の中で、最愛の人に抱かれる自分の幸せな未来だった。
おかしい。こんなの、間違っている。
それなのに、今この瞬間、四本の腕に絡め取られて求められているという現実が、どうしてか何よりも心地良く感じた。
きっと、もう後戻りは出来ない。自分の身体はそれを自覚していたし、望んでいた。
なぜなら、その日堕ちた先は、地獄でも何でもない、一面に薔薇が咲き乱れる快楽の花園だったのだから。
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