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*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第8章 *File.8*


「雪乃さんのカレシが安室さんじゃないなら、あの後、カレシに会えたの?」

彼の中では、二パターンの答えが用意されていたってことか。
私がゼロの彼女だった場合は、私が泣いた原因はゼロ本人にある。
私がゼロの彼女じゃなかった場合は、私が泣いた原因がゼロ以外にある。
そして……。

「あの後?」
「安室さんと入れ替わって、誰か来てたでしょ?」
「「……」」

思わず、ゼロと視線を合わせて黙り込んでしまった。
そこまで、気づいてましたか。
で、答えはそっちに辿り着く、と。

「あの時、雪乃さんのお友達には、気分が悪くなったから裏口からタクシーで帰りました。って、安室さんは説明してたけど、あれは嘘で、あの後、雪乃さんを迎えに来た誰かが、雪乃さんのカレシなんだね」
「まるで全てをその目で見ていたようだな?名探偵?」
「僕が探偵って、どうして知ってるの?それにその言い回し…」
「ふふっ。私ね、コナン君が今想像した彼とお友達だから、彼から君の話を聞いてたの」
「アイツとお友達って。雪乃さんって、一体何者?」
「安室さんと同じくコナン君の味方で、きっと、この世でたった一人しかいない、ヒト。だよ」
「?」

眼鏡の奥の眉を深く顰めたまま、首を傾げる。
そんなの人間誰だってそうだし、当たり前だって?
でもね、そういう意味じゃないのよ。
私の場合、は。

「……」

不意にポンと頭にゼロの掌が乗せられたから、視線を合わすと、
『危険だ。それ以上は何も言うな』
そう言っていたから、

「ん」

小さく頷いておいた。

「もしかして警察、関係者?」
「それは100%有り得ないので、心配要りませんよ」
「返事早っ!今さり気なく貶したでしょ!」
「気の所為ですよ」
「私はその笑顔に騙されないわよ!」
「人聞きの悪いことを言わないで下さいね」
「こぉんの二重人格の人タラシ!」
「…誰が、だ?」

揺らりとゼロの雰囲気が変わるけど、私は怖くないから!

「安室透、アンタしかいないでしょ!」
「ふっ!ハッハハハ」

ビシッと言ってやれば、コナン君が吹き出して笑った。


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