第4章 *File.4*(R18)
だから、キミは可愛いんだって!
そもそも首から上はって、微調整って、どんな表現だよ?
笑いながら、拗ねたようにプイと顔を反らす雪乃を抱き締める。
「何で笑うの?」
「確かに普通に男の目から見て、雪乃の顔立ちは可愛いし、スタイルもいい。でもオレは、どんな姿の雪乃でも可愛いと思える自信があるよ」
キミの言動一つ一つが可愛くて、愛しいと思えるんだから。
どんな姿形になったとしても、キミの魂が変わらない限り、キミの本質は何も変わらない。
「……バカ」
怒った顔から、困った顔に変化するのを見届ける。
「オレは雪乃、キミしかいらない」
これから先、何があったとしても、もうキミ以外の女性は選べない。
「……う~っ」
困ったように言葉を吐き出してから、布団から伸びて来た腕がオレを抱き締めた。
「降参する?」
「……うん」
恥ずかしさを隠すためか、オレの胸元に顔を押し付けて力を込めてるんだけど。
「それは逆効果」
「きゃっ」
クルンと身体を回転させて指を絡め、その指先からチュッと音を立てて上へと口付けていくと、抱かれ過ぎて肌が敏感になっているのか、肌に唇が触れる度にピクリと反応を示す。
「ひ、景光っ」
「オレだけを感じて。雪乃」
「っン」
唇が触れ合う距離で名前を呼ぶと、返事を聞く前に口付けた。
悪いけど、まだこの欲望を止めることは出来そうにないよ。
ごめん。
オレと雪乃の間に挟まる掛け布団を避けながら、心の中で謝罪しておく。
どうやらオレは、ズルい男のようだから。
ねえ、雪乃?