第16章 *File.16*【File.10 番外編】(R18)*
「ひ、景光…」
「なに?」
「そうじゃ、なく、て…ン」
「早く動いて欲しい?」
「…っん」
「今キュッって締まったな、ココ」
自身が挿っている場所に、外からトントンと触れると、身体を捩った。
「やっ」
「オレはずっと雪乃のナカにいたい」
「あ、ンっ!」
自身をゆっくりと引き抜いてから、グッとナカへ押し込めば、雪乃の身体が跳ねると同時に声が上がる。
「顔見せて」
「やだ」
「雪乃の顔が見たい」
「!!」
恥じらいで赤くなった顔を隠す腕を掴んで、顔の横で手のひらを重ねた。
「やっぱり可愛い」
「景光はズルい」
「オレがズルいオトコだってことは、雪乃はよーく知ってるはずだよ」
「開き直らないで!」
「こんな乱れた雪乃の姿を見れるのは、オレだけだから」
「……」
ギュッと眉が寄る。
困っているのか、それとも照れているのか?
「もっと見たい」
「!」
「…今エロオヤジって思っただろう?」
「……」
「沈黙は肯定と見なすよ」
近い場所にある視線が、無言でそらされた。
「だって、ホントのっ、あっ、はぁ…ちょ、やん!」
「待たない」
狭いナカの奥深いトコロを探り当てると、激しく腰を打ち付ける。
抱いても抱いても抱き足りなくて、飽きるどころか雪乃への想いは深く広がる一方で、止(とど)まることも冷めることさえない。
「気持ち、いい?」
「…ん……景光、は?」
固く閉ざされた瞼が震えて、薄らと開かれる。
「身体も心も、満たされ、てる」
「…よかっ、た」
ゆっくりと瞼が開かれ視線が合うと、ふわりと微笑んだ。
「!」
驚きと同時にゾクリと心が震えて、雪乃のナカのオレも素直に反応した。
雪乃は一体何処まで綺麗に、美しくなる?
もしそうさせているのがオレの存在だと言うなら、オレは凄く幸せでとても光栄だけどね。
「愛してる、雪乃」
「愛してる、景光。ずっと、ずっとね」
幸せに満ちた綺麗な笑顔に、一瞬で意識の全てを奪われた。
「…ああ」
やっぱりキミは女神だよ。
オレだけの、たった一人の…。
半ば夢心地のような気分で頷くと、心と本能が思うがままに律動を始めた。
今から二人一緒に快楽の世界に堕ちようか?
オレ達の愛に満ちた夜が明けるまで、何度でも。