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*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第13章 *File.13*


「雪乃」
「うん」
「これからもずっとオレの傍で笑っていて。そう、約束したよね?」

全ての覚悟を決めて実行するのは、オレの方だ。
雪乃に出逢ったあの日にも、決めたはずだ。
例えこの身に何があっても、雪乃だけは護るんだと。
そう、誰の手でもない。
自分自身の、この手で。
自ら立てた誓いを願うだけのオレは、今日でもう終わりだ。

「うん」
「だから……」

困惑に瞳が揺れる。
哀しい顔を、辛く淋しい想いをさせたいわけじゃない。
雪乃は雪乃らしく、オレの傍で何時も優しく笑っていて欲しい。
幸せにしたいんだ。
オレが。
この手で。

「……景光?」

深呼吸をして息を整えると、真っ直ぐに雪乃の瞳を見つめ返した。

「オレと結婚して下さい。これからもたくさん迷惑をかけるかもしれないけど、雪乃、キミはオレが護るから」
「はい!」

大きな瞳をいっぱいまで見開いて驚いた後にあったのは、可愛い満面の笑顔。

「有難う。宜しくお願いします」
「こちらこそ、宜しくお願いします」


「よかった」

真夜中、ベットで深い眠りにつく雪乃を見下ろして、ため息を一つ。
ただ、精神的なものだから何かの拍子に思い出して、自分ではどうすることも出来ないかもしれない。
トラウマになって長い時間、雪乃の生活を脅かすかもしれない。
最善は尽くすつもりだけど、仕事はしばらく休ませた方がいい。
接客業なら、尚更だ。

「……」

あんな状況で、あんな状況だから、プロポーズをしたわけで。
今更ながら、恥ずかしくなってくる。
人生で一度きりでいいよ、プロポーズは。
勿論、後悔はないけど、他に手段があったのでは?と考えなくはない。
実はもう既に、サプライズは用意はしてあったから。
今この手にある、婚約指輪だ。

「雪乃」

広いベットに身体を滑り込ませて、起こさないように、雪乃の左の掌にそっと触れる。
そのまま左の薬指にそっとキスを一つ落として、ケースから取り出した指輪をはめた。


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