第12章 *File.12*(R18)
「伝えれられないんだ」
そう呟いて、耐えられずに雪乃から視線を外した直後スマホが震えた。
相手は言うまでもない。
雪乃を起こすのが忍びないから、とりあえず着信拒否にする。
君達二人の絆の強さには、本当に参るよ。
きっともう、二人を引き寄せ出会わせた神様だって、太刀打ち出来ない。
運命でさえ、君達二人を引き裂けない。
悔しいから絶対口にはしないけど、心の片隅では何時も願っている。
俺達が羨むほど、景光と雪乃が二人寄り添い微笑み合う、幸せな人生を送って欲しい、と…。