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*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第10章 *File.10*(R18)


「顔、見せて」
「…ヤダ」
「やっぱり泣いてる」

泣かないワケがないでしょう?
どれだけ貴方に逢いたかったか、心配したか、不安だったか、哀しかったか、苦しかったか、辛かったか。
分からないとは言わせない。

「たくさん色々とごめん」
「景光が、悪いワケじゃない」
「でも雪乃が泣いてる理由がオレにあるのには、変わりないよ」
「…痛い?」
「身体の傷は時間が治してくれるけど、心の傷は簡単に癒せない」
「こんな時ぐらい、心配させて」

何時も舞台の裏側を一切見せない貴方が、こうして目に見えて酷い怪我をして、る!

「ん?」
「痛むんじゃないの?」

普通に抱き締められてるけど!

「じゃあ、もっと傍に来て」
「……」

椅子、じゃなくて?
腕を解かれて、その指先で濡れた頬を拭ってくれる。

「こっちにおいで」
「……」

あの、此処、病院…。
掛け布団を捲って平然として、家にいるみたいに誘わないで!

「ほら、早く」
「……」

言い出したら、きかない。
こういう時だけ!
なんてズルい人!
可愛い笑顔に根負けして、仕方がないから靴を脱いで、おずおずとベッドの上にあがる。
何だか、申し訳ないやら、恥ずかしいやら。

「これ…ヤバくないですか?」
「抱き締めてるだけだし?」
「そういう問題じゃないっ」

身動きを取り辛いのをいい事に、開いた脚の間に座らされて、包み込まれるように抱き締められた。
だけど、お腹に回された変わりない逞しい腕と温もりに、嬉しさと安心を覚えて、瞼を伏せた。

「こんな時間に、誰も来ないよ」
「ひ、景光っ」

ワザとやってる!
背後から耳元で囁かないで!

「このまま…」
「……」
「シたい」

言うと思った、けど!
この人、こう見えてもすっげえエロいから!!
こんな場所で、この状況で、お色気全開は止めてー!
私の肩に顎を軽く乗せて、近いからっ!
そもそもが怪我人のくせに!

「なっ、何言ってんのっ!」
「ずっとお預けだったし?」
「すっ、拗ねてもダメなものはダメっ!」

可愛過ぎて、破壊力ヤバい!!
私の心臓バクバクしてるし、体温は上がる一方。

「雪乃は…」
「……」

ちょー嫌な予感!


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