第2章 カンタレラ
次に目を覚ましたら俺は布団の中で寝ていた
額に置かれたタオルが冷たかった。
(優しかったな··ん?)
部屋の外から聞こえる賑やかな声
(あぁ、ふたりが帰ってきたのか。そう考えたらワシは随分と寝ていたよう···違うまだ午前中にゃ)
もしかしたらふたりは今日半日か
熱が下がった体を起こし部屋から出る
「おかえり」
「ただいま!兄貴大丈夫なのか?」
「た」
「大丈夫じゃよ、心配させてすまなかったな」
「兄貴が元気になって良かった!」
「彩華はどうした?」
「彩華は仕事だよ」
「ヒマリ?ほんまか?」
「うん、何やら電話で呼ばれたって手紙があったぞ」
「ううむ。おみゃぁら留守番出来るか?」
『うん!』
「いい子じゃ」