第2章 主人公の家
同じ時間のその頃秀麗の家では。
「パパ!ママ待ってー!わたしを置いて行かないで……そんなに嫌いなの?!」
ハッと目が覚めると、幼いわたしが顔なんか知らない両親らしき人の後ろ姿を追いかける夢を見る。それがわたしの日課となっている。
わたしは、重い体を起こすと朝食の準備へと取りかかる。
今日は、サンドイッチとベーコンエッグそしてコーンスープ。
趣味は料理と言っても過言ではなく、施設に居た時も食堂のおばちゃんの手伝いをよくしてた。
一人で食べる朝ごはんは、少しだけ寂しさを感じつつ学校へと向かった。
外に出ると同じ制服を着た子達に何人か会うけど、お団子ヘアの月野さんに会うのは教室の中。だから今日もそうだと思い、足を進めた。
「おっはよう秀麗ちゃん。」と後ろから明るくわたしに挨拶をしてくれる。
「おはよう。じゃあまたね。」わたしはそう言うと足早に学校へと向かう。
月野さんが嫌いな訳じゃない……ただわたしと一緒に居たら月野さんの印象まで悪くなるそう思っていたら、「秀麗ちゃ〜ん!一緒に行こう。」と言って走ってくる。
わたしはいつものメンバーと登校すれば良いのにと内心思い、
「わたしと一緒に居たらまずくない?」とわたしが問えば、えっ?!とキョトンとする月野さんにため息しか出ない。