第4章 「り」
いきなりのことで
なにかわからなさそうなまっすーは
一瞬考えている顔をして
「あぁ。そのことか」
というといつものあの笑顔に戻った。
「もー。みんなそんなこと考えてたの~?(笑)暇人だな~。そんなことより今日の1限の数学、中テストだよ?特に長岡とかさ。次、赤点とったらヤバイんじゃないの~?」
長岡君が
「ヤベっ!!」
というと
まっすーに質問攻めしていた男子たちが
「やばい、やばい」
と焦りながら自分の席につき勉強をしはじめた。
「まっすーうまく逃げたね(笑)」
私は誰にも聞こえないような声でボソっと呟いた。