第22章 幸村精市と逞しい彼女
中学3年の秋頃、俺は恋をした。
「おい…大丈夫か?」
この日は少し体調が優れない日だったんだけど…学校の階段を登ってる途中に立ちくらみがして危うく落下しそうになったところを彼女が助けてくれたんだ。
幸村「あっ…ありがとう。大丈夫…。」
「そうか…気を付けろよ?具合悪いなら無理するな。」
そう言うと彼女は俺をそのまま保健室に運んでくれた。この日俺は生まれて初めて女子にお姫様抱っこをされてしまった。
「ところで名前は?先生に保健室で休んでるって伝えといてやるから教えてもらっていいか?」
幸村「俺は…幸村精市。君は?」
「私か?三神涼子だ。じゃっ、大人しく休んでろよ?」
幸村「待って!!」
彼女が出て行こうとすると俺はそれを咄嗟に引き留めた。
「なんだ??」
幸村「今度…お礼したいから……連絡先教えてもらえないかな?」
「んな事気にするな。別に大した事はしていない。」
幸村「そんな事ないよ!君が居なかったら…大怪我するところだったんだから。……連絡先ダメかな?」
「…………別に礼とかは気にしなくていいが連絡先交換するくらいなら構わない。」
幸村「ありがとう!」
それして俺らは連絡先を交換して時々LIN◯するようになって思い切ってデートに誘ったんだけど…
幸村「はぁ……」
なかなかいい返事が貰えなかった。
真田「幸村、何かあったのか?」
柳生「もしかして体調が優れないのですか?」
ジャッカル「あまり無理はするなよ?」
俺が部室で着替えながらため息を付いているとテニス部のみんなに心配されてしまった。
幸村「ごめん…別に具合が悪いわけじゃないんだ。ただ…ちょっと悩んでてね。三神涼子さんって知ってる?」
仁王「三神涼子って…俺らのクラスに居るあの三神か?」