第2章 薄桃色の世界
気が付くと病院だった
白い天井に点滴。
見知らぬ場所だけど妙に安心した。
「アヤ!よかった…」
ヒナが手を握ってくれてる
目だけで周りを見回してもヒナと利佳さんだけ
あの人はいない、そうか…いないんだ
「ヒナから聞いてるけど、アヤの事何も聞いてないからさ
辛くならない程度に話してほしいな」
少し厳しい顔をした利佳さんがヒナの後ろで言う
ここまで来て初めて恐怖で震えが止まらなくなる
ヒナたちに迷惑をかけてしまうかもしれない
そんな考えが頭の中を飛び回る
でも…もう僕一人の力ではどうすることも出来ない
「父が…亡くなりました…」
順を追って、なるべくわかりやすいように。
僕にされてたことは少し伏せながら
話を聞いてくれた二人は真剣な顔つきをしていた
その間看護婦さんが来たり、検査にいったりで飛び飛びになってしまったが
飽きずに聞いてくれていた
どうやらあの人に連絡しても繋がらないとかで
利佳さんに一時的な保護者としていてくれることになった
僕は病室に帰ってきて
ヒナは家に戻り、利佳さんと二人きりになった
「…なるほどね。そんなことになってたなんて…ごめん。私がいながら…」
「そんな!…僕が一人で何でもしようとしたからです。もう、正直限界でした。でもどうして良いか分からなくて」
ふと、利佳さんを見ると下唇を強く噛んでいた
悔しいのと、怒ってるのがわかる。
「はぁ…、血は争えないね。千鶴と、ほんとそっくりだわ」
久し振りに母の名前を聞いて、僕と母が似てると聞いて
また視界が歪む。
「ご…ご迷惑になると…思いますがっ…」
涙が止まらずしゃくりあげていたが伝えられた。
利佳さんは僕の頭をなでながらやさしく微笑んでくれる
「千鶴の忘れ形見であるアヤを助けない理由なんてないさ。頼っていい、私にも、もちろんヒナにもね」
あとは任せな。と言い残し利佳さんは病室を後にした
そのあと僕はヒナにめちゃくちゃ怒られ
何もしなくてもあの人から離れることができた
しばらくヒナの家にお世話になることになり、高校入学と同時にヒナの親戚が大家のアパートに一人暮らしをすることになった。
あの人に何をしたのかはヒナや利佳さんの口からは聞けなかったが
多分かなりすごいことをしてくれた気がする。