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【HQ】灰色の世界【R18】【腐向け】

第2章 薄桃色の世界



夜になる前に僕の部屋は完全に硬い扉と
外側と内側から鍵のかけられるものになり
百合絵さんが持ってる指輪の鍵でしか開けられないものになった
絶望で体の震えが止まらない
この部屋に入れば二度とヒナたちに会えなくなる気がした
でも逆らえない、逆らって僕がこれ以上壊されるくらいなら

今、しか…
百合絵さんが電話してる今しかない
でも誰に助けを求める?警察?
学校でのヒナの言葉が頭によぎる

「なんでも言ってよ…私達、唯一の幼馴染で大親友なんだからさ」

ヒナ…ヒナしかいない…迷惑がかかるかもしれないけど
この生活を続けて、百合絵さんのオモチャとして生きるくらいなら…!

カバンを持って足音を立てずに玄関に向かう
焦るな、心ではそういってても初めての反抗に冷や汗が止まらない
飛び出して、急いで走ってヒナのマンションまでの最短ルートを割り出し、玄関へ

「何してるの?アヤ?」

後ろから声が聞こえた
終わった…

「あ…あの…」

百合絵さんの手が僕の真後ろまで来てる
捕まれれば僕はまたオモチャになる…
嫌だ。嫌だっ

「うああああああ!!!!」

カバンを目いっぱい振り回し百合絵さんの体制が崩れたのが見えた
すごく怒りを露わにしてる顔だ
でも今逃げなきゃ終わる
またオモチャになる

「待ちなさい!アヤ!私のオモチャ!」

襲い掛かろうとする百合絵さんを一心不乱に振り払い
僕は玄関の扉を開け、外に飛び出した
涙か汗かわからない
でも視界が歪んでいる
走らなきゃ、ヒナの住むマンションまで

足が痛い、息も辛い、カバンが重い。

それでも僕は止まらなかった
道中にある大きめのスーパーが目についた
ヒナがいつも特売と目をギラギラさせていくところだから
よく見るとヒナが珍しい時間にスーパーの籠を持っているのが見えた

「ヒ…っ…ヒナっ…!」

スーパーの入口にいたヒナが僕の声に気付いたのか振り返る
持っていた籠を急いでおくと血相をかいて走ってくる

「どうしたのアヤ…ってか裸足じゃん!!」

「ご、ごめ…」

ヒナの小さな体に支えられ脇にずれる
息を整え後ろを振り返っても誰もいなくて安堵する

「待って、今お母さんに電話して車回してもらうから」

何かを察してくれたヒナが急いで携帯から電話してるのが見える

「ごめん…ヒナ…たすけて…」

僕の意識はここで途切れた
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