第2章 薄桃色の世界
「なんで、なんで!!もっと早くいってくれなかったの?!
そんなになるまで…アヤのバカっ!!絶対、絶対に助けるんだからね?!」
あの時ヒナが初めて僕に怒った
その表情も、怒鳴り声も、時々蘇る
中学三年の初夏
僕は本当にボロボロだった
継母の百合絵さんにいろいろされて
父に相談もできないまま急病で亡くなった
最期まで僕のことを見てくれない人だったが
今となってはどうでもいい
父の密葬が終わり、継母が僕の部屋に鍵をかけようと業者を呼んでる時だった
「ゆ…百合絵様、僕の部屋に何されてるんですか…?」
「あら、アヤ、お帰りなさい。もう学校に行かなくていいのよ。これからは家庭教師を雇って、私とずっとこの家に住むの」
「え…?」
言ってる意味が分からない
父が亡くなって二人きりになったこの家で
さらに外界から遮断されたら僕の逃げ道がなくなる
「さ、アヤ。いつも通りお外から帰ってきたらシャワーを浴びてらっしゃい?ばい菌を持ち込まないようにね?」
業者の人がいるのに有無を言わさず脱衣所に連れて行かれる
そしていつものように制服を脱がしてく
当たり前のように下着を脱がされ腰や体の輪郭を手のひらでなぞってくる
洗面台の鏡に映される自分の体が汚く見える
百合絵さんは後ろから僕の体を触り続けている
「さぁ、アヤ。あなたの体に付けた噛み跡は何個ある?」
「…9個…です」
脇腹や乳首の周り、至るとこに百合絵さんが付けた噛み跡がある
この質問もほぼ毎回行われる
「じゃあ次ね、あなたに付けたキスマークは何個ある?」
二の腕や太もも、僕の目に入るすべての個所にキスマークがある
「13…個です…」
僕のすぐ耳元に百合絵さんの口元が来る
鳥肌が止まらない
「ざーんねん。15個よ。お尻とその付け根。あなたが寝てる時に付けたの。外れたからお仕置きね?」
たまに正解させてくれない時がある。
お仕置きは気分で変わるが
何をされるのかはだいたい予想がつく
肩に置かれていた手はゆっくりを僕の下半身に向けて下ろされる
その時業者の一人が脱衣所の扉をノックする
「チッ…はーい?」
不機嫌そうに百合絵さんが離れる
恐怖と不快感で力が抜けその場にぐずれる
「いつまで…このままなんだろ…」
小さく零れた。