第8章 後夜祭。
心の準備がまだだというのに
社長室に呼び出されてしまったオレ…。
「あなた、今度はテゴマスやりたいとか
言ってるんですって?」
「……はい。」
「まったく、勝手過ぎて呆れますけど、
一旦それは置いておいて…。
単発じゃなくて継続してやりたい
と受け取ってますけど、?」
「はい、許していただけるなら
そうしたいと思っています。」
「そう…。それならあなた、
テゴマスの活動をするときは戻ってらっしゃい!」
「……え?」
「だって、しょうがないでしょ?
増田はうち以外にいくつもりはないし、
私も彼を手放すつもりもないの。
だから…あなたが帰ってきて、
ジャニーズ事務所所属のタレントとして
テゴマスの活動を再開するのが一番、いいのよ。」
「一旦、抜け出したのに……いいんですか?」
「いいから、呼んだんでしょ。
あ、勿論うちを飛び出したわけだから
マネージメント契約はしないわよ?」
「はい、充分です。
エージェント契約していただけるだけで。」
「それに、勘違いしないでもらいたいんだけど
あなたのためじゃなくて、増田のためよ。」
「……増田さん?」
「あなたが退所したあとも
あなたといつかまた歌いたいと
ずっと……、言ってましたからね。」
なるほど。
それが、増田さんの最後の切り札だったのか。
最後に笑うのは
どうやら増田さんだったらしい。。
「それからね、あなたももともと
私を利用するつもりだったんでしょうけど、
お互い様ですから。」
「……お互い様って?」
「テゴマスに商品価値があるのは
勿論、そうではあるんですけど…。
NEWSには口実をつけてでもそろそろ
卒業してもらわないといけない理由があったのよ。
若手がどんどん出てきてるなか全てのグループに
1位を獲らせるスケジュールで発売日程を
組まなきゃいけないっていうのはそろそろ限界で。
NEWSにはずっと、
1位を獲らせてきてましたからね。」
「なるほど。。」
「だから…遠慮は無用ですよ?
思う存分、うちの事務所を利用して下さい。」
「わかりました。」
「……ここまでは、ビジネスの話です。
ここからは、私の個人的なあれなんですけど…。
テゴマスの活動、楽しみにしています。」