第5章 昼夜逆転【だるまいずごっど】
ナマケモノの様に布団から出てくる彼を横目にキッチンへ向かう
ギリギリまで布団の温かさを感じたい気持ちはわからんでもない
冷蔵庫を開けて食材をある程度取ってキッチンに立つ
フライパンを出して油をひく。温める間にボウルのなかで卵を割り黄身と白身を混ぜる
『なーにだるちゃん』
「ひーま花子ちゃん」
後ろから抱き着いてくるひっつきむし、だるまいずごっど
ホントにこの人ばぶちゃんだと思う
私いなかったら生きて行けないんじゃないかってレベルで生活力が微塵もない
どうやったらシンクからメロン生えてくるのか教えてほしいくらい
まだ付き合いたてのころにメッセージアプリで写真が送られてきた
あの時の衝撃はいまだに忘れない
「あとどんくらいかかるん?」
『どーだろ?簡単なものだから数分で終わると思うよ?』
「わーった」
彼と同棲を始めて数年が経つ。彼の生活リズムは普通じゃない
みんなが寝る時間に活動し、みんなが起きる時間に寝始める
これぞ昼夜逆転
私がだるまの生活に合わせていると私がまともに生活できなくなるため、彼とは一緒に寝たりすることはあまりない
お互いにお互いの生活を理解しているためぶつかり合ったりすることは基本ない