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私得な短編集

第5章 昼夜逆転【だるまいずごっど】


『んん?』

カーテンの隙間から零れる日の光に目を刺激され目が覚める
起き上がり大きく伸びをし欠伸を零す

ふと、隣を見ればすやすやと眠る彼がいた

『だーるまー朝ー起きるよ~』

軽く肩を叩いて呼びかける



「ん、んーぁと6時間....」

『割と長いねぇ』

少し笑ってベッドから出ようと足を布団から出す
すると体の横に立てていた腕を掴まれる

「もう起きるん...?まだ寝てやんやぁ」

寝足りないのか呂律が回っておらず幼く見える

『なに言ってんの。私眠くないし』

「俺は眠いねん....一緒寝ようやぁ...」

幼すぎる

不健康すぎる


きっと昨日も遅くまで配信していたんだろうな、と簡単に予想がつく
彼、だるまいずごっどはストリーマーをしている


『なぁに、昨日も遅くまで配信してたんでしょ?』

「んー花子の話しろってリスナーに言われてん。話し始めたら止まれやんやん」


惚気.....彼の仕事仲間のありさかに一度愚痴られた
だるまの惚気は胸焼けするし長いって
それを私に言われてどうしろって話なんだけど....


『そんな話せるなら目覚めてるでしょ?ほら、起きて。朝ごはん食べよ』

「えーいやや」

『いやじゃない。オムレツ作るけど』

「ライスは?」

『朝からオムライスはちょっと重いかなぁ』


大きすぎる欠伸をしながら体を起こしただるま
私の方を見てにかりと笑う

「おはよう花子」

金色に近い白髪が陽の光できらきらと輝く

『ん、おはようだるま』
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