第4章 君だから。【まふまふ】
一目惚れ、かもしれないです。寂しげに笑ってまふまふさんはそう呟いた
「僕は、花子さんが好きです。だから、生きていてほしいです」
まっすぐと私を見つめてそういった
熱の籠った瞳から逃れることが出来ず赤い瞳に思わず見入ってしまう
『私が、好き、ってことなんですか?』
「まぁそう言ってますね。付き合ってもらえませんか?」
この人なら、私の居場所をくれるんじゃないだろうか
この人なら、愛をくれるんじゃないだろうか
この人なら、置いていかないんじゃないだろうか
『私でよければ』
弱りきった私の頭は考える暇もなく答えていた
腕を引っ張られ今度は正面から抱きしめられる
恥ずかしくて俯けば顎に細い指が添えられ掬いあげられる
交差した視線に思わず頬が染まる
近づくまふまふさんの顔を拒む方法なんて私は知らない
もちろん
影でまふまふさんが不敵に微笑んでいたことも
end