第1章 探偵チームKZとS・A
「アーヤの悩みは分かった。そんなときは、対人関係のエキスパートの出番だ」
と、若武が黒木の方に片手を横に差し出します。
「東堂明さんか。名字、どこかで聞いたことがあるかもな。知人にあたってみる。アーヤ、しばらく待てるかい?」
「ありがとう、黒木くん。全然大丈夫だよ。お願いします」
「そんなに気を遣わないで。アーヤを助けた人なんだ。オレも会ってみたいかもしれない」
「それなら、オレだって」
まだムスッとした表情をしていた若武もそう言いました。
「僕も東堂明さんに会ってみたいかな」
「おい、よせよ」
と、小塚に言いながらも、上杉も東堂明が気になるようです。
彩たちは、黒木から声が掛かるまで、塾で勉強をしていました。