第1章 探偵チームKZとS・A
これは、探偵チームKZとS・Aが出会う前にあった出来事でした。
秀明ゼミナールに通っている小学六年生の立花彩は、帰宅途中に男子高校生三人に絡まれていました。
「ねえ君、このあとオレらと遊びに行こうよ」
「良い店、連れてくよ」
「こっち、こっち」
「すみません、急いでますので」
と、彩は高校生三人を相手にしないで逃げようとしますが、腕を掴まれてしまいました。
抵抗した彩でしたが、相手の力が強くて適いません。このまま連れて行かれるのかと、彩が泣きそうになっていると、黒髪の高校生がやって来ました。
「くんくんくん、君たち、お酒クサイね。二十歳未満アルコール禁止じゃね?」
「何だ? お前」
「その子が嫌がってるだろう」
初めはふざけた調子で言っていた黒髪の高校生でしたが、ものすごく怖い顔で高校生三人を睨んでいました。
ようやく彩を離した高校生三人は、黒髪の高校生に襲い掛かります。
「やっぱ、彗(けい)みたいに無理か。はっ、やーっ、おらっ!」
黒髪の高校生は高校生三人を相手にやっつけてしまいました。黒髪の高校生を恐れた三人は退散して行きます。