第1章 アイチと櫂、謎の秘境の山地へ
「なら、目の前に広がる崖はどう説明する? アイチ」
「……三和くんたちのところに戻ろう、櫂くん」
「戻れたらいいがな」
「来た道を戻って行けば、きっと戻れるよ」
アイチの発言もむなしく、余計に見覚えのないところに出てしまった二人です。
「今度は湖か。どうなってる」
「ごめん」
「声の主、その辺にいるならオレたちとファイトしろ」
そう言った櫂はデッキを取り出します。
「櫂くん、声の主ってヴァンガード出来ないんじゃ……」
アイチが恐る恐る言うと、
「ふっ、それもそうだな。冗談だ」
と、櫂はデッキをしまい直しました。
「ミサキさんに連絡してみます」
アイチは携帯を取り出し、ミサキの番号にかけようとしますが、電話が繋がりません。
「電話、繋がらないか」
「うん。おかしいな、電波はあるのに」
「戸倉の携帯の調子がおかしい可能性もある。別の奴にかけてみろ」
「そうだね。じゃあ、三和くんに」
次は三和の番号にかけようとしましたが、電話が繋がりません。
「どうだ?」
「ダメだ。三和くんにも繋がらない」