第1章 水無月大和と秋田刑事
「それは困ったもんだね」
秋田刑事は両目を閉じました。
「好きな人は僕のことを何とも思ってないんじゃないかって、そこも悩み始めて……」
「わかった。そういうときは、君の好きな人に直接確かめる必要がある。君が本人に聞けないなら、僕が確かめようか?」
「いいんですか!? あ、でも、いいです。僕が本人に確かめます」
始めは秋田刑事に頼ろうとしていた水無月ですが、やっぱり断りました。
「それが今ベストだと僕は思うよ。げ、警部から着信……。それじゃあね」
仕事がまだあるか、秋田刑事は走り去ります。
「秋田刑事、ありがとうございます。よしっ」
彼に悩み事を話し、すっきりしてきたか、水無月は焼き芋をパクッと食べ、座っていたベンチから立ち上がったのでした。