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【ヒロアカ】19Hzの瞳孔

第3章 入学


それは春ーー。

「出久、ティッシュ持った⁈」

「うん」

「ハンカチも⁈ハンカチは⁈ケチーフ!」

「うん‼︎」



僕ーー緑谷出久は、No.1ヒーロー オールマイトに認められ、個性『ワン・フォー・オール』を譲渡された。

しかし、力を受け継ぐというのはそう簡単なものではなく、肉体ーー器に合わない力は、雄英高校の一般入試で初めて発動した力は四肢をボロボロにした。

唯一、個性で倒すことが出来たヴィランを模したロボットは0Pで、合格は無理かと思われたが、審査制の救助Pにより、雄英合格を果たすことができたのだったーーー。閑話休題、



心配のあまり、当の本人すら置いてけぼりで慌てる母、緑谷引子に「時間がないんだ、急がないと…」と出ようとすると、名前を呼ばれ引き留められる。

「出久、超カッコイイよ」

「…!、行ってきます!」

それは、高校生活の始まり‼︎



ーーー

「1-A…1-A…、広すぎる…」

毎年300を超える倍率の正体…一般入試の定員は36人しかない。
そこに推薦入試枠4名を加え、ひとクラスあたり20人。今年はそれに特別推薦枠1名が加わり、緑谷出久が所属する1-A組は21人となっている。


そんな厳しい受験で選ばれた人たち…個性を授かったとはいえ、発動の度に深手を負うままなので酷く不安に駆られる。


「あった…ドアでか…」

1-Aと書かれたその黒色のドアは、身長の何倍もある。
きっと個性社会…巨体だったりで入りづらいひと用のバリアフリーだ。

「怖い人たち…クラス違うとありがたい…」

脳裏には、ずっと自分を目の敵にしていた幼馴染と、入試で酷く威圧された眼鏡の少年が浮かぶ。

祈るような気持ちでドアを開けるとーーー



「机に足を掛けるな!雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないか⁈」

「思わねーよ、てめーどこ中だよ、端役が!」


2 ト ッ プ !

これからの学校生活を思い、酷く胃がキリキリした。

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