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おとぎ話の続きを聞かせて【イケメン戦国】

第4章 嫉妬と仇討ち



「明日よりまた遠方へと視察へ出る。戻る時までに羽織を仕上げておけ。楽しみにしている」

信長様はそう私に告げて、力の抜けた私の体をきつく抱きしめた。

日々獣に喰われて体が帰蝶を忘れて行くように、そのうち心も喰われてしまうんだろうか……?

白昼堂々と別の男と抱き合うこんな私を、帰蝶、貴方は本当に必要としてくれるの…?


もう何が普通で正しい事なのかが分からない。


早く帰蝶に会わなければ…、会って抱きしめてもらわなければ、心がバラバラになりそうで…怖い。



けれど、数日後訪れた例の呉服屋で帰蝶と会うことはできなかった。

代わりに渡された文には、急用で堺に戻らなければならなくなったと書かれてあり、次に会う日まで達者で暮らせと、ただそれだけが綴られていて、約束した蝶のイラストはやはりどこにも書いてはなかった。

そしてその文すらも、読み終えるとその場で燃やされてしまい、帰蝶の温もりが薄れていくのを感じながら、安土城へと戻った。




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