第4章 全て愛して愛されて
あられもない声を上げて、何度も何度も絶頂する私には、もう普通の判断が出来なくなっていた。
気を失ってもなお、揺さぶられ色んな場所を刺激され、意識を戻される。
―――ガチャッ。
二人が交わる音と声だけが響くワンルームに、扉が開く音がした。
もちろん、快楽に溺れ切っている私にはそんな事を気にする余裕はない。
「おー、おー、なかなかエッグいねぇ……。一虎ぁ、頼まれてたの置いとくぞ。面倒な男に捕まっちまって、可哀想に……。あんまヤり過ぎて、彼女ちゃん壊すなよぉ」
「っ、はぁっ、うるせぇよっ……。つーか半間、こいつの声もっ、姿もさっ、俺だけのだからっ、んっ、さっさと出てってくんね? っ、はぁ……はぁ……はっ……ぁ……」
「はいはい、じゃぁ、ごゆっくりぃー」
聞き覚えのある声を意識の向こうで聞きながら、より一層激しく突き上げられる快楽に身を委ねた。
何度目かなんてもう分からないくらい達した後、一虎の動きが止まって、中からズルリと昂りが抜かれた。
それすら気持ちよくて、でも中に入っていない切なさと、物足りなさに脚を擦り合わせた。
「ちょっと待っててなぁー。いいもん持って来てもらったから」
袋をゴソゴソしている一虎をボーッとする頭で見ながら、中から色んな形の何かが取り出されたけど、私は見た事がなくて。
「ん? もしかして、初めて見る? オトナのおもちゃ」
大人に玩具なんているのか。それが何故今いるのかと、働かない頭でただ見つめる。
「はどれがお気に入りになるかなぁー。可愛い声も顔ももっといっぱい見せて……」
「ふぇ……ん、ひっ、ぃあぁああぁっ!」
秘部にある突起に振動が当てられ、喉を引き攣らせて悲鳴に似た声を上げた。
撫でられるだけでも衝撃なのに、こんな強い刺激に耐えられる筈もなく、脚をガクガクさせながらあっという間に達してしまう。
「これ、好き? じゃぁ、今度はこれ、な?」
「いやぁっ、これ、やらぁあっ、ゃ、ああぁぁああっ!」
やめて欲しいのにやめて欲しくない。そんなちぐはぐな感情に、戸惑いながらまた絶頂へと向かう。
終わりのない快楽の波を体に受けながら、次は完全に意識を手放した。
「……ずっと俺と一緒にいて……絶対、離さないから……」