• テキストサイズ

【IQ2】水を被るとフォーゼになっちゃうふざけた体質な月島

第3章 6月




鯉登さん、好い人がいるんですね


先日の昼休みの会話である


「(あれはだったのか!!)」


脳天に雷が落ちるような感覚を覚えた

自身が色恋からすっかり離れていたとは言え、こんなに近くで気付かないとは思っても見なかった


「(の奴、俺の見立てだとアイツも気付いてない…よな?
まさか付き合ってるか!?
いや……俺と同居しているし、それは無いよな

止めるか?

駄目だ、今出ていけば同居関係をばらすようなものだ
鯉登さんが納得できる、嘘の説明が出来る自信がない)」


狼狽えていると、廊下の向こうで玄関扉が閉まる音がした


「しまった、出ていってしまったか」


寝室を出て、二人が出ていった玄関を見つめる


「………良いじゃないか
若い二人の恋をオジさんが邪魔することもない

二人が付き合うなら、付き合えば良いさ」


ははは、と自虐的に笑いながらリビングのソファに座ると、彼女が気に入っているクッションが目についた

同居だけ、と言う間柄ではあるが、このソファに並んでテレビを見たり、彼女の希望で犬の姿になり膝に乗る事も多かった

彼女の天真爛漫な笑顔が脳裏に浮かぶ


「…………」


ゆっくりと立ち上がる

静かに向かう先は、風呂場であった


「鯉登さんは大切な大口得意先のご子息だ
一時の恋愛感情で気軽に付き合うべきじゃない

そうだ…、俺は、鯉登さんが心配なんだ…!」


誰に言うでもなく呟くと、シャワーの線を捻り、冷水を思い切り被った
/ 24ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp