【IQ2】水を被るとフォーゼになっちゃうふざけた体質な月島
第3章 6月
鯉登家訪問当日
「月島さん、服装スーツで良いですよね?」
「ああ、友人として行くとは言え、取引先だからな
今回は初めての挨拶に伺うつもりで行け
本当は俺も着いていきたいんだが、生憎誘われて居ないから知らない体だしな…」
「ですよねぇ……うう、大口取引先に行くの緊張するぅ
私が無礼を働いたせいで、取引停止とかになったらどうしましょう」
「大丈夫だ、そんな器の狭い方ではない
楽しんできて良いと思うぞ」
「はっ!
音のパパ上様に気に入られたら、月島部長とダブル担当にして貰いましょうね!」
「ははは、頼もしいな」
月島と最終確認をしていると、インターホンが鳴った
月島は寝室へ隠れる
それを確認して扉を開けた
「迎えに来てくれてありがとうー、音」
「構わん……て何じゃその服装は!」
「何って、仮にも取引先に行くんだから失礼のないようにスーツで決めたんでしょうが」
「~~~っ
そんな事だろうと思って、迎えに来て正解じゃ」
鯉登は頭を抱えていた
意味がわからず首を捻る
「わいは意味を知らんで良い
とりあえずこれに着替えろ」
手をぐっと差し出してきた
その手には、有名ブランドの紙袋が握られていた
「何これ?」
「今日用においが用意した服じゃ」
「えっ、そんなの申し訳ない、支払うよ!」
「わいに支払えるのか?」
言われて中身を取り出す
普段自分で勝っている服とは一桁違いそうだった
「あざーっす」
「おう」
「(お金持ちの家に遊びに行くには、このレベルの服を着ていかないといけないのか)」
鯉登の計画を露も知らないは多少の疑問を感じながらも素直に納得する
しかし、二人のやりとりを聞いて疑問に思うものが一人居た
寝室に隠れた月島である
「(家に行くだけで服をプレゼント?
それも(恐らく)相当高価な服を?
何かがおかしい……
何かを忘れているような……)」
鯉登の行動におかしさを感じ、自分の頭の中の引き出しを懸命に探る
「……、あっ」
先日、鯉登から見合いの話を聞かされたのを思い出した