【IQ2】水を被るとフォーゼになっちゃうふざけた体質な月島
第3章 6月
鯉登家
「見合い?」
鯉登音之進が家族と夕食をとっていると、父親が頷いた
「モス、こんあいだおめ、おいん会社に来てたじゃろ?
そんときに取引先のん娘どんがおめを気にいったごたっ」
「ほんのこておいか?
兄さあと間違えちょらん?」
「黒い方ち言いよった」
兄の平之丞が笑う
「そりゃわい(お前)だ」
音之進が兄に向かって口を尖らす
「桜島大根の方じゃなくよかにせちゅうごた」
食卓がどっと沸く
父が音之進に再度問いかけた
「そいで、見合いはどうすっ?うくっぞ?(受けるぞ)」
「そいは困る!」
音之進は、見合いという言葉に眉間にシワを寄せる
続けて何かを話そうと口を開くが、やはり閉じる
そのままうぅ、と苦しそうな顔をして何かを悩みだした
他の家族は3人で不思議そうに顔を見合わせる
母親が何かを閃いたように目を見開いた
「音、まさかおい……ぬしゃ(恋人)、おらっとな?」
母の言葉に音之進は顔を赤くし、猿叶を上げる
母親は目を輝かせた