【IQ2】水を被るとフォーゼになっちゃうふざけた体質な月島
第1章 4月
会社
「月島部長、まだ出張から戻られないんですか?」
「うーん、そうなんだよ
連絡が無いのが気になってね
やはり君たちも知らないか」
鶴見社長が営業部を訪ねてきた
全員で見合わせて首をふる
第七師団社は現在海外への輸出進出を進めている
満州の進出が一段落したため、今度は中国への進出を考えていた
その第一段として派遣されたのが、我等が月島部長だった
しかし彼が居なくなってはや半月がたつ
本来ならばとっくに帰ってきている筈だ
「あの月島さんに限ってボイコットはないと思うけどなぁ…
谷垣どう思う?」
「そうですよね、あの真面目な部長が連絡も無しと言うのが何かあったとしか考えられません」
「殺されたんじゃないのか?」
「やだー、止めてくださいよ二階堂さん!」
パソコンを触る手を止めてダベっていると、頭をがしりと掴まれた
「ははぁ、随分と余裕でありますなぁ」
「いだだだだだ!!
すみません、尾形係長!!」
「見てみろ、あの玉井主任の顔
部長がいない間に回ってくる仕事を押し付けられて、もう3日家に帰ってないぜ」
「わぁ……さながらヒグマのようだ」
「お前らはこれ以上面倒事を増やさないようにしろよ
特にと谷垣、貴様等はミスが多すぎる」
「はーい」
夜 退社
「ふぃー今日も働いた働いた」
会社を出て帰路に着く
玉井主任は今日も帰れなさそうだった
「おい、」
「あ、音!」
「腹が減ったからおまん家で飯食わせぇ」
「えーまた?
今日大したもの無いよ」
「かまん」
インターン生の鯉登と帰りが合ったので一緒に帰る
ふと道端のごみ捨て場が目に止まった
「?どうした」
「猫かな、何か白くて丸いのが動いた気がした
ちょっと見てくる」