• テキストサイズ

月島軍曹を絶対幸せにするマン

第4章 月島軍曹と樺太先遣隊



リュウが吠えた先にはヒグマがいた

「子供たちを後ろに!」


月島がいち早く維持をだし、銃を構えた
指示に従い、チカパシと少女を後方へ避難させる

ヒグマは非常に興奮しているように見えた
しかし我々を襲ってくるでもなく、逃げるでもない
その場で地団駄を踏んだり、回ったりしている


「様子がおかしいぞ」

「血が出てる、怪我してるのか?」


前衛で杉元と月島が不思議がっていると、ヒグマはブンブンと首を降り始めた
その時、何かが背中から落ちた

体長一メートルほどの熊にも狸にもどこか似た、肉食動物だった
ヒグマはこの生き物と戦うことはなく、逃げていく


「こいつがヒグマを襲っていたのか?」


生き物は辺りを伺っている様子だった
鯉登がゆっくりと近づく


「鯉登少尉殿、離れてください」

「これがさっき言ってたヒグマより凶暴な奴なのか?
目もつぶらで可愛いではないか」


しかし、アイヌ犬のリュウはヒグマの時より警戒し、後方へと離れていた
それを見て杉元が銃を構え直す

月島の指示を聞かない鯉登が右手をちちち、と出そうとした時、生き物は鯉登に襲いかかった


「ゴルルル!!」

「音!」


生き物は鯉登の背中にかじりつき、コートからは血が出ていた


「月島ァ!!」

「ムン!」


月島が生き物を蹴飛ばす
そのまま銃を撃ったが、生き物は木の上へと逃げていった


「こいつ素早いぞ!」


生き物はそのまま少女めがけて飛びかかってきた
チカパシと二人で女の子に覆い被さる

幸い杉元がすぐに駆けつけてきてくれ、二人とも噛まれることは無かった

「でかしたチカパシ、ゆめ」


自分では襲われた時に盾になるには心細いと、駆けてきた谷垣に少女とチカパシを受け渡し、村田銃と交換する

月島と杉元が協力して生き物を撃たんとしていたが、雪煙のせいでとらえたかは定かでなかった


「とにかく離れるぞ、走れ!」


鯉登をおぶった月島と前衛を代わり、杉元と共に警戒しながら逃げる

生き物は月島の弾が当たっていなかったらしく、雪の上を走っているとは思えないスピードで追ってきた


「撃て、追い付かれるぞ!」


杉元が撃つが当たらない、続いて撃つも避けられた


「くそ、何で村田銃なんだ!
月島軍曹、銃を貸せ!」

万事休すかと思われたその時、そりが此方へ走ってきた
/ 48ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp