第1章 入試試験
一体どれだけ倒したのかなんて正確にはわからないけど、覚えてる範囲では多分38Pくらい。
だんだん敵と遭遇するのも減ってきた頃、そいつはやってきた。
プレゼントマイクが言っていたギミックだという0Pの仮想敵。
他の仮想敵なんかよりも圧倒的な大きさと破壊力のそれは高いビルさえも移動するたびに壊していく。
「こ…こんなの他の敵倒してる余裕なんて…」
??「いったぁ…」
逃げる以外の選択肢はなくて、他の受験者たちも次々に逃げていく。
だけど、どこからか聞こえた声に振り返れば一人の女の子が瓦礫に足を取られ身動きが取れないでいた。
「待ってて!今すぐに……っ!?」
私の個性だったらあの瓦礫から女の子を助け出すことが出来るはず。
そう声を掛けようとした矢先。
真横を誰かが通った気がした。
それはとても早くて一瞬の出来事で。
思考が追い付かず、理解出来た頃には巨大仮想敵に殴り掛かろうとしていた。
「あの子、さっきの…」
緑のもさもさ髪。
そのシルエットだけで誰なのかは一目瞭然だった。
さっきまで全然仮想敵を倒せずに焦った表情をしていたはずなのに。
逃げることも、迷うこともせずに敵に向かっていく姿はまるで、本物のヒーローみたいだった。
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