第8章 新たな任務
夢主side
『社長、いい加減にしてください』
今日は昼間から社長の元まで行きクレーマーと化していた。理由は勿論、梵天への派遣について何も聞かされていなかった件である。
「いやぁ、だって仕事の調子悪かったみたいだからさぁ。梵天って聞いたら余計に嫌になっちゃうかな?って」
まぁ確かにこの人も私が春千夜に恋をしている事など知る訳もないので、普通の感覚であればあの組織に派遣されるなど発狂モノである。
『だとしても!!!いきなり知らされる身にもなってください。私の事情はいいので、決まったらちゃんと連絡して頂きたいです』
(準備とかあるし!美容院とかエステとかネイルとか服とか!)
不純な動機まみれなのは黙っておこう。
「ごめんねぇ、今度からはそうするよ。というか、その話誰から聞いたの?ゼンにもまだ言わないでって言っておいたんだけど」
『えっ!そ、それはまぁ私の人脈からといいますか』
嘘では無い、けど春千夜と夜中イチャコラした後に突然聞かされましたなどそんな説明は出来ない。というかアイツも知ってたのか。
「あれ、梵天の人に知り合いでも出来たの?いつのまに」
『あっ!そういえばこの後予定がありました。ではまた詳細メールしといてくださいね』
無理やりすぎるけどボロが出る前にと、その場から急いで離れる事にした。
数日後にはついに梵天での仕事である。大体1ヶ月以内には終えれる仕事らしいが、むしろ短いくらいだ。
その間は向こうのアジトに部屋を用意してくれるみたいで、これって世にいう同棲ではないのか!?と頭の中ではお花畑の上をスキップをしていた。
会える予定があるってだけでこうも毎日が違って見える、恋とは本当に凄いものだ。
春千夜も私に会えるのを本当に楽しみにしているのだろうか。話すトーンがいつも軽いから冗談に聞こえてしまう。
まぁ、大半はからかってるんだろうけど。
社長には感謝。いつも使えないって馬鹿にしてごめんなさい。
今日からもっと念入りにケアしちゃおう〜と呑気に考えながら部屋へと戻った。