• テキストサイズ

あなただけに見せる顔【約束*番外編】(鬼滅/上弦夢)

第2章 real



 俺は正直女の子には困ったこともないし、どんな子も俺の外見や肩書にくっついてくる。だけど、どの子といても感じることは同じで、そういう意味で女の子はみんな同じだって思ってた。

同時に、実家の詐欺宗教家の両親とそこに集る信者を身近な大人として見てきた俺には、大人はいつも汚く映った。一方、寺院で運営してた養護施設では面白くて純粋でキラキラした子供もいた。

特にお気に入りだったちゃんって子だけ、真剣でホンモノで服が大好きな変わった子。
浮ついた目じゃなく、本当のお兄さんとしてしたってくれたから兄としてその世界に送ってやったんだ。
結果、大成して無惨様から聞いた話じゃ、あと二人いる園から知ってるお気に入りの兄妹”shabana”のスタイリスト兼デザイナーとして就いたらしい。

ってなわけで、彼らは"兄妹"としての"例外的な大人"として今も大好きだ。
仕事のそれは、当然我がチームであるUpper Moonと無惨様。
そして.....全然俺に男としての興味を感じない珍しい女の子。それが、舞台女優として一緒に仕事をした”郷倉マキ”って娘。彼女曰く、俺が先輩で一番演技上手いから。という理由でいろいろアドバイスを求めてくる。本当にそれだけだ。

 凄く熱心だけど不器用で...。正直、本気にならなくても何でもこなしてきた俺とは正反対。打ち込む姿勢にたいして進歩がカメなのに、その必死さがまるでうちの猗窩座殿を連想させてくる。まぁ、似ているのはそこくらいで、猗窩座殿はセンスもあってもう少し器用だし、マキちゃんはもっと社交的で表情が豊かだ。

 雪が降らないギリギリの寒さの冷たい風も、僅かにクリスマス感を漂わせて、辺りは薄暗くなりつつある。ライブハウスとか、小さな劇場が多く立ち並んでいるここらは、どこもかしこもクリスマスのイベントらしく、それらしく飾っている。

 ポケットの中には1枚のチケット。目立つハイブリーチな長髪をニット帽とマフラーで隠して、ある小さな劇場にちょっと寄り道をする。

 ゲスト出演女優は郷倉マキ。この劇場を使っている劇団出身らしいマキちゃんは、毎年クリスマス公演だけ参加しているらしい。
共演してから、彼女の公演が決まるたび、俺に相談してくれたけど全く行けてなかったから都合が良かった今回は行ってあげなきゃ可哀そうだ。
/ 13ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp