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~SWEET BLACK POLICE~ 【DC:降谷零】

第20章 ”ビーナス”


「おい、それはどういうことだ?」
俺は焦って陽菜の肩を力強く掴んだ。
「ちょっと、ゼロ君落ち着いて!」
「ああ、すまない。陽菜に危険が迫ることを思うとつい…」
「ううん、私もつい最近まで忘れてたんだけど、この間ゼロ君が車をぶつけて犯人を止めた事件あったでしょ?あの時、橋の上にいたブロンドの女性をみて思い出したの」
「あの時か…確かにあの橋の上にいたのはベルモットだ」

ゼロ君は私がゼロ君と出会う前、アメリカで過ごしていたことは知っていたから、そのアメリカで起こった事件に巻き込まれたこととと、その時に助けてくれた”ベル”と名乗った女性のことを話した。

「アメリカに住んでいたことがあるとは聞いていたが、そんな事件に巻き込まれたことがあったんだな。でも、あっちでは”ベル”という名前は結構あるだろ?なのに何でベルモットだと思ったんだ?」
「私もそう思ってたんだけど…この間のベルツリー急行で組織の仲間が赤井秀一に変装してたんでしょ?」

「ああ、あれはベルモットが赤井に変装していたんだ」
「私、あの時その人と接触したの、そしたら…私の耳元で、”可愛いビーナス”って言ってきて、それで確信したの。それに去り際に残していったあの言葉…」

「あの言葉?」
「A secret makes a woman woman.」
「そっ、それは彼女のいつも言っている言葉…」

陽菜の口から語られた内容は衝撃的だった。まさか陽菜がベルモットと知り合いだったなんて…それに幼い子供をあのベルモットが助けただと?とても信じられない。

「だから、彼女は一応私の恩人なの…組織の一員だと分かった今は少し複雑だけど…」
ベルモットの真意は分からないが、可愛いビーナスと呼んでいたのなら、おそらく今すぐ陽菜に危害が及ぶことはないだろう。でも、再開してしまった上に組織のことを知っている以上、陽菜に危険が及ぶ可能性は十分にある。

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