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~SWEET BLACK POLICE~ 【DC:降谷零】

第19章 日常


「よし、叩き込んだ。美和子今から私のすることは黙って見逃してね」
「えっ?ちょっと陽菜、何する気?」
「状況が分かったら通信機から連絡するから、よろしくね」
戸惑う美和子を置いて私は侵入可能な排気口に走る。

「まだ、後遺症はあるけど、おそらく人質の中には子供もいるはず…早く助け出してあげないと」
私は排気口から銀行内に侵入し、犯人や人質のいるフロアまで急いで向かう。

ちょっと狭いけど…なんとかいけそうね。そろそろ犯人のいるフロアあたりだと思うんだけど…。

「助けてください!解放して!」
「妻が待ってるんだ」
「私も小さい子供が家で待ってるんです」
「ままぁっ…こわいよう」

排気口から下をのぞくと犯人と思われる覆面の6人組と人質が…えっと、15人いた。その中には、小さな子供と会社員に銀行の従業員、妊婦さんまでいるではないか。急いで美和子に連絡を入れる。

「美和子、聞こえる?」
「陽菜、貴方一体どこにいってるのよ!」
「中の状況を伝えるわ。犯人は全員覆面で拳銃を所持、人質は全部で15人。子供、妊婦さん、銀行の従業員、サラリーマンの人とかよ。私はすきを見ていけたら奴らを制圧するつもりなんだけど…」
「はぁ?あんた何言ってんのよ。一人で拳銃もってる6人組を制圧できるわけないでしょうが!」
「とりあえずまた連絡するわ」
美和子との連絡を一方的に切り、もう一度人質を確認すると、その中に沖矢さんがいることを発見した。

あれって沖矢さんだよね?なんで捕まってんのよ…。でも彼がいるなら、制圧できるかもしれない。なんとか合図を送らないと…。

私は何かないか考え、持っていた手帳の切れ端を沖矢さんの近くに落とすことにした。

きっとこの暗号なら気づいてくれるはず…。落ちる場所と、フロア内の風調を計算してっと、よし、いけっ!!
私は、メモ紙を犯人が違う方向を見ている隙に排気口からおとした。

案の定、沖矢さんはそれに気づき、半分目を開けて私がいる排気口を見る。これは了解と受け取ろう。

「あのぅ…」
沖矢さんが犯人に口を開く。
「先ほどから、隣の部屋で何か聞こえるのですが、誰かいるのかもしれませんよ」
「なに?!本当か?」
「はい、静かにしないと見つかるとか、黙ってろとか…」
「おい!嘘だったらしょうちしねえからな!お前ら、3人でみてこい」


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