~SWEET BLACK POLICE~ 【DC:降谷零】
第11章 風邪
「はっ!!!」
私は目を覚ました。懐かしい夢だった…。でも、なんで今あの時のことを…それにあの時のベルと名乗って去っていった女性、最近どこかで見たことがある気がする。
ずいぶん寝ていたのか、もう外はすっかり暗くなり、薬が効いたみたいで身体はだいぶ楽になった。ゼロ君はもう帰ったのかな…?カーディガンを羽織、リビングに向かう。
「ゼロ君?いる?」
リビングのドアを開けるとゼロ君がソファーにもたれて眠っていた。
「寝てる…。ゼロ君の寝顔久しぶりに見たな…。私なんかより絶対疲れてるのにいつも平気な顔して…」
起きている時よりも眠っている方が、幾分か幼く見える。整った顔立ちに、サラサラの金色の髪の毛…サラッ
「ゼロ君可愛い…」
そうつぶやきながら、膝を立ててサラサラの髪の毛に触れて、ゼロ君を堪能する。
「キスはしてくれないのか?」
「へっ?!」
下を向くとゼロ君が目を開けて私をみていた。
「寝たふりしてたの?いつから起きてたの?」
「リビングのドアが開いたぐらいからかな」
「最初からずっとじゃない…」
「陽菜が俺に何をするのか試してみたくなったんだ。キスぐらいはしてくれると期待してたんだが…」
いたずらっ子のような笑みを浮かべ、ペロっと舌をだす。
「もうっ…キスなんかしたらゼロ君に風邪移っちゃうから…忙しい降谷零君に風邪なんてひかせられないよ」
「陽菜の風邪なら、いくらでも貰いたいぐらいなんだがな…それに俺は鍛えているから風邪なんかひかないよ」
そういって、私にキスをする。腰をホールドされていて逃げることができない…。
「はっ…んっ…チュウ」
全てのことを忘れてしまいそうなとろけるようなキス。私はこのキスが気持ちよくて大好きだ。
「陽菜っ…」
「ぜろっ…んんっ」
「はぁっ…っ。陽菜可愛い、でもこれ以上したら俺の理性が持ちそうにない…」
「ゼロ君…私大丈夫だよ?ゼロ君のしたいようにして?」
「…こら、陽菜。あんまりそんな顔して煽るな…病み上がりのお前に無理させたくないんだよ」
「ゼロ君…」
「その代わり、元気になったら覚悟しとけよ?」
耳元でゼロ君の声が響き、ゾクゾクしてしまう。
「はははっ。さらに顔が赤くなったな…分かりやすい奴だ」
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