• テキストサイズ

~SWEET BLACK POLICE~ 【DC:降谷零】

第11章 風邪


それは…まだゼロ君と出会う前、私が両親の仕事の関係でアメリカに住んでいて、ある事件に巻き込まれた時のこと。

その日は久しぶりに両親揃ってショッピングモールに出かけていたのだが、運悪く立てこもり事件が発生してしまった。犯人グループの男達が発砲し、買い物客は皆出口に向かって殺到、私はそのせいで両親とはぐれてしまい、一人でショッピングモールをさまよい歩いていた。

「Hi gail.It's dangerous if I'm alone in a place like this.」
一人でいる私を心配してくれたのか、綺麗なブロンドのウェーブがかったロングヘアーの女性が声をかけてくれた。
「パパとママとはぐれちゃったの…グスッグスッ」
「あら…あなた、日本人なの?可愛い顔してるからハーフかと思ったわ」
「日本語…?お姉ちゃんも日本語話せるの?」
「ええ。そんなことよりここは危ないわ、行きましょう」
両親とはぐれ、泣きべそをかいている私の手をしっかり握り、綺麗な女性は私と一緒に両親を探してくれたのだ。

犯人たちに見つからないよう、女性は私の手を引いて歩いてくれる。
「私は陽菜。お姉ちゃんのお名前は?」
「陽菜…可愛い名前ね。私は…そうね“ベル”よ」
女性は少し悩んだような感じで私に名前を教えてくれた。

「ベルお姉ちゃん陽菜を見つけてくれてありがとう!ベルお姉ちゃんの手凄くあったかくて優しい…きっと、心も凄く優しくて温かい証拠だね!」
「…?!」
私がそう言うとびっくりしたような顔を一瞬して、気がついたら優しく抱きしめられていた。
「貴方はこのまま汚れを知らず純粋で真っ白に育ちなさい。可愛いビーナス」
「うん!分かった!」
ベルお姉ちゃんは微笑みながら私の頭をなでてくれる。

ベルと名乗った女性と話しながら歩いているといつの間にかショッピングモール裏口の前まで来ていた。
「ほら、出口についたわよ。貴方の大好きなパパとママの元にお帰りなさい」
「ベルお姉ちゃんは行かないの?一緒に行こう?」
「私は行けないわ」
「やだ!!一緒に行こう…どうして?何処に行くの?」
「陽菜…A secret makes a woman woman.また必ず会えるわ」
そう言い残し女性はさっていったのだった。

/ 97ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp