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~SWEET BLACK POLICE~ 【DC:降谷零】

第11章 風邪


ピピピピッ。測り終えて体温計が鳴る。
「38.5℃か…結構高いな。」
「心配かけて、ごめんなさい。今日ポアロだったんでしょ?私のせいで…」
「陽菜より大事な物なんてないよ。ほら、今日はもう帰るぞ」
そう言って、私をお姫様抱っこし、皆に私を連れて帰ることを説明してゼロ君の車に乗せられ、心地よい車の振動でそのまま眠りについた。


「んっ…」
おでこにヒンヤリとしたものが当てられて目が覚める。

「起こしたか?陽菜具合はどうだ?」
どうやら、眠ってしまった私を自宅のベッドまでゼロ君が運んでくれたみたいだ。

「まだ、頭痛い…」ピピピッ。
「さっきよりは下がったみたいだが、まだ高いな。お粥食べれそうか?」

「うん…ありがとうゼロ君。でも仕事大丈夫?ただでさえ忙しいのに…」
「なに、いってるんだ。陽菜より、大切なものなんてないっていっただろ。ほら、熱いから気をつけて食べるんだぞ」
ゼロ君はそう言いながら優しい笑顔で私の頭をなでてくれた。

身体を起こして作ってくれたお粥をフーフーしながら食べる。
「久しぶりにゼロ君のご飯たべた…美味しい」
「それは良かった、熱いからゆっくりたべるんだ」

優しいゼロ君に私はこれからきっと、たくさんの嘘を重ねていくことになる。これは私が自ら選んだ選択肢だ。
でも、風邪を引いて弱っている今の私には、その選択肢は間違いだったのではないかと思えてきてしまう。色々考えていたら、知らず知らずのうちに目から涙が出てきてしまっていた。

その涙をそっと指で拭ってくれる。
「身体…しんどいのか?涙がでてる」
「あれ?なんでだろ…熱のせいかも…」
心配そうに見つめるゼロ君を見ながら、これは熱のせいだと自分に言い聞かせる。

「もう、たべなくていいのか?」
「うん、せっかく作ってくれたのに残してごめんね」
「気にしなくていい。これだけ食べれたら上出来さ」
「ほら…薬飲んでもう少し寝てるんだ」
「ん…ゴクッ。ありがとうゼロ君…」
私が再び眠るまでゼロ君優しく頭を撫でてくれる。ゼロ君の手は私より一回り大きくて優しくて安心する。そんなことを思いながら眠りにつくと幼い頃の夢を見た…。

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