~SWEET BLACK POLICE~ 【DC:降谷零】
第10章 協力者
「嘘ついてどうするのよ」
「彼女は大丈夫だ、坊や。早速なんだが陽菜、これを…」
箱に入ったリングを秀一が渡してくる。
「これは…なんです?」
「来週ある、ミステリートレインの乗車リングだ」
「ああ、あの電車の!って、これを渡すってことは、私に乗れってこと?」
「そのまさかだ。そのミステリートレインで組織はとある女を殺そうとしている。それを一緒に阻止し、その女性を守って欲しい」
「その女性って一体誰なの?」
「赤井さん、ほんとに大丈夫?」
「心配するな、坊や。その女性はコードネームシェリー。奴らの組織の元一員だ。訳あって組織を抜け出し、奴らから逃げている」
「なるほど。そのシェリーの逃走を手伝えばいってことね」
「話が早くて、助かるよ陽菜さん。ミステリートレインで彼女が死んだと見せかけるのが今回の目的なんだ」
「わかったわ。コナン君。しっかり協力するから安心して」
ポンッ。私はコナン君の頭を撫でながら協力する事を約束した。
あれから、工藤邸を後にし自宅に戻ってきていた。もちろん、車は明日取りに来るからと博士の家に置かせてもらい、タクシーで帰ってきた。
「はぁ、疲れた…うん。」
ソファーにダイブしながら、これからどう動こうかと思考をめぐらせる。
「ゼロ君になんて言おう…。口が裂けても赤井秀一のことは言えないし、隠し通すしかないよなぁ…はぁ、苦重すぎる」
疲れた身体に、今日の出来事が衝撃的すぎてもう一歩も動けない。
「うじうじ、考えてもしかたないか。陽菜!あんたならやれる!なんたってトリプルフェイスの妻なんだから!」
それに、私はゼロ君を守るために協力者になる事をえらんだ。その決意は揺らがない!
「よし!やるぞっ!!」
バチンッと自分の頬を叩き、来る日に向けて気合いをいれ、そのままソファーで眠りにつくのだった。
NEXT…。