~SWEET BLACK POLICE~ 【DC:降谷零】
第10章 協力者
「なんの話しをしているの?私はバーボンが組織の1人ってことは知っているけど、それ以上のことは知らない。彼の恋人になったのは、私の友人であり組織に潜入中だったスコッチを殺された、復讐をする為…」
「なるほど、そう来たか。陽菜、俺は君の力を高く買っている…知っての通り俺は死んだことになっている身なんでね、表立って動くことが難しい。そこで、君に協力してほしい。俺はまだバーボンに捕まる訳にはいかないんでな」
「FBIのあなたに、そう言って貰えて光栄だけど…協力するにあたって、私にメリットがあるようには見えないけど?」
「メリットか…。ではこうしよう、スコッチが亡くなった真相を墓場まで持って行くってのはどうだ?」
「?!っ」
綺麗な翡翠色の瞳に真っ直ぐに見つめられ、全てを見透かされている気になる。いや、絶対この人は分かって、私が断れないと思ってこの提案をしてきたのだ。ずるい…人。
「はぁ…。分かった、協力します。約束は絶対守って…秀一」
「了解した」
ゼロ君は赤井さんのせいで、ヒロくんが命を落としたと思っている。だから赤井さんを捕まえて、組織に渡そうとしているのだ。
でも、ヒロくんが亡くなった真相は、ゼロ君の登ってくる足音を組織の人間だと勘違いしたから…。
それをゼロ君が知ったら、きっとゼロ君は後悔に苛まれて、自分を責めて壊れてしまう。だから、私はゼロ君を守るために私はこの選択をする。
「それで協力って、具体的には何をしたらいいの?」
「君は、安室透の恋人になったんだろ?それを逆手にとって、情報をこちらにも共有してほしいんだ」
「わかった。なるべく共有できるようにするわ」
「頼んだぞ、陽菜。安室君に何かされたら俺のとこに来い。何時だって慰めてやる」
「いい、貴方の世話にはなりたくないから」
「つれないな。君にはまだ、いくつか秘密がありそうだ」
赤井さんとジッと見つめ合う。協力者にはなるが、私の秘密を全て教えるとは言っていない。
「女はね、秘密を着飾って美しくなるのよ、秀一。A secret makes a woman woman.」
口元に人差し指をあてて話した。
「こりゃ、参ったな。何処かで聞いたセリフだ」
「ふふふっ」
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