第11章 組織
ある日、刑事部から回された公安案件を捜査している40代の男性捜査官に話しかけられた。
「おー、夏目。」
「はい。」
「また頼みたいことあるんだが…。」
前からこの人には、よくこうやって話しかけられては、捜査資料をまとめる仕事を頼まれていた。
「わかりました。いいですよー。」
「これ見てくれ。あ、外部秘な。」
「はいはいわかってます。言いません。」
廊下の端により、資料を目にした。
ナイトクラブ内での殺人と薬物関係の資料だった。
「こういった事件は山ほどあるからよー。同じような事件あったら取り寄せてほしいんだよ。」
「……。」
「夏目?」
「あ。はい。わかりました。いつまでにやればいいですか?」
「1週間以内だと助かる。夏目も案件抱えてるだろ?」
「1週間あれば大丈夫。また持っていきますね。今日一日だけこの資料借りてもいいですか?」
「あぁしかしコピーはだめだぞ。」
「はーい。」
にこっと笑って私はその資料を自分が持っているファイルに挟んだ。
「じゃ、頼んだぞ。」
私は先輩を見送り、資料室に急いだ。
私が刑事時代の時から追ってる事件だ…。
資料室に入り浸るのも、刑事時代に膨大な量の資料を整理してきたのもこのためだ。
「…やっと。」
高鳴る心臓を抑え、私は資料室に入り資料を見つめた。
頭に叩き込んでいく。
小さな事件でも必ずまた尻尾を出すと思っていた。
「次こそ…ぜったい。」
ーー…チャンスが来ましたよ、先輩。