第10章 肉球
わんちゃんの汚れた身体を拭いて、やーっと綺麗にできた。
河川敷でこれでもかってくらい遊びまくった後だったからもう足も疲れたし、色々限界だった。
わんちゃんを拭いたタオルを洗い、泥だらけのおもちゃも綺麗にして少しキッチンの床に置いて乾かした。
人様のお家でそれをやるのは気が引けたけど、まぁ許して欲しい。
「わんっ!わんっ!」
「うるさ。…なに?」
足元でぐるぐる回るわんちゃん。
私以上に走り回ったのにまだ元気そうだ。
わんちゃんが走って行った方を見ると水入れに水がもうなくなっていた。
「あー、喉乾いたのね。待ってね。」
水を入れてあげて勢いよく飲むわんちゃんの背中入りをよしよしと撫でた。
私もそろそろ帰らなきゃ。
おもちゃを箱の中に戻してから帰ろうと立ちあがろうとした瞬間、わんちゃんが私のお腹目掛けて飛び掛かってきた。
「きゃっ!」
「わふっ。」
バランスを崩し私は降谷さんのベッドのサイドに背中をぶつけるようにして座り込んでしまった。
「んもう。」
飛びかかったりするから嫌いなんだ。
ぽてっと私の膝に顎を乗せ気持ちよさそうに私を見上げているわんちゃん。
「…。」
体温の高いわんちゃんは暖かかった。
そっと手を伸ばし、私の膝に頭を乗せているわんちゃんの耳の裏あたりを指先で撫でてやるとそれは気持ちよさそうに目を閉じた。
「ご主人さまにもこうされてるの?」
目を閉じて寝てしまったわんちゃんからは返事がない。
「ちょっとだけだからね?すぐ私は帰らなきゃ。」
わんちゃんの頭を撫で、はぁっとため息をついた。
そして、私は上司のベッドにもたれかかってることに気がついた。
「げ。」
綺麗にピシッと上された白いシーツ。
ふわふわで気持ちよさそうだ。