第9章 笑顔の意味
私はチラッと榎本さんの後ろにいる安室さんに視線を向けた。
こう言った依頼は受けてもいいのだろうか。
安室さんと視線があったが、にこにこ笑ってるだけで全然アイコンタクトをとってくれない。
「スケジュール確認するのでちょっと待ってもらっていいですか?」
「もちろんです!無理なら私と安室さんで手書きでどうにかするので!」
安室さんの…手書きの絵?
ちょっと見てみたい気もする。
私は携帯を取り出し、スケジュールを確認するふりをしながら降谷さんにメールを送った。
目の前にいるのに…
『断った方がいいですか?』
メールを送り、画面を見ながら私はカップを手にした。
安室さんは榎本さんの後ろで携帯を開き私にチラッと視線を送った後、すぐ返信が返ってきた。
『好きにしろ。べつに受けても構わない。』
と来たので、ポスター一枚くらいだし私は受けることにした。
「めぐみさん、本っ当にありがとうございます!」
「いえいえ。でもパソコンが家なので家で作りますね?あとでどんな感じのイベントなのか教えてください。」
「もちろんです!あ、カフェオレおかわりいりますか?」
「いえ、今日はもう充分です。」
またお腹タプタプになったらかなわない。
「じゃあ、あとは2人にお任せしていいかい?閉めるだけだから。」
奥からマスターさんが来て、安室さん達にそう言った。
「七瀬さん、だったかな。ごめんよ僕が不甲斐ないばかりに…こんな役を押し付けられて困ってたんだ。ありがとう。」
少し体の大きいマスターさんはとても人が良さそうだ。
商店街の会議で押し付けられたんだろう。
マスターはエプロンを外すと安室さんたちに挨拶をしてお店を出て行った。