• テキストサイズ

うちの上司は【DC/降谷】R18

第8章 ただの勘違い


安室さんの肘に手を添えたまま、彼に近づこうとすると安室さんが急に立ち止まった。


「…?」

会話を録音するには遠すぎる。

どうかしたのだろうかと安室さんを見上げたら、安室さんはチラッと対象者とはまたちがう男性二人組の方を見ていた。



「最近奥様が旦那様を怪しんで探偵を何人か雇ったらしいから、警戒怠るなよ。」
「あぁ、らしいな。このパーティーにも探偵が来てるって聞いたぜ。」
「マジかよ。奥様、別れる気がないんだろ?」
「弱みを握りたいんだろ。」
「まぁ、俺らは怪しい奴を会場の外につまみ出すだけだな。」
「怪しまれないように複数人で来てるかもしれないからよーくみろよ。」
「あぁ。」




…そんな会話が聞こえてきた。

私は安室さんの服を掴む手に力が入った。
こんな真っ直ぐ対象の男性に向かって行ったら怪しまれるかもしれない。だけど、早く行かないと録音できない。



「安室さん…?」
「はい。」
「あっちのケーキ食べたいです。」

くいっと腕を引いてなるべくカップルを装った。

「いいですよ。行きましょうか。」

いつもの上司とはちがう優しい笑顔でそう言うと、安室さんはわたしの腰に手を回した。


ぞわわっとしたが、表情に出さないよう頑張った。
これは演技これは演技…!


私の腰に手を回したまま対象者の横を通り過ぎ、近くのテーブルに来た。きっと今録音中だろう。あまり声を出さない様にテーブルに並ぶケーキを選ぶふりをした。







「奥様は平気なの?」
「大丈夫。君は何も心配しなくていい。」
「…私高いわよ。」
「君みたいな女性ならいくらでも払おう。」
「ふふ。」

すごくグラマラスで綺麗な女性は煌びやかなアクセサリーや服で身を飾り、整えられた爪先で男性の顎に手を当てていた。


「この先に今日の参加者が利用できる個室がある。君との部屋も用意してある。」
「あら、せっかちね。もう少しお酒を楽しみたいのだけれど。」
「部屋に用意させよう。」
「せっかく着飾ったのにすぐ脱ぐのは勿体無いわ。」
「それを脱がすのが楽しいんじゃないか。」

私には言ったこともないセリフが飛び交う。

ケーキを食べながら、安室さんの横で後ろの対象者たちの会話に耳を傾けた。

/ 418ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp