第7章 ruff ruff !?
白い毛の塊が寝室の方から、軽快な足取りで跳ねてきてわたしはキッチンのシンクに背中をぶつけた。
「…っ!!」
ハッハッハッと舌を出し、尻尾を振り、ぴょんっとわたしの足めがけて飛び跳ねた。
「…っ!!!ぎゃぁぁぁぁーーー!」
「どうした!」
私の叫び声で降谷さんがタオル片手にキッチンに慌てた様子できてくれたが、その格好をみて私は冷蔵庫に頭をぶつけた。
「ぎゃぁぁぁぁ!!」
「落ち着け!」
「服着てくださいっ!!!」
「パンツ履いてるだろう。」
「ぴちぴちパンツ!!」
心配して来てくれたのはいいが、ボクサーパンツ一枚にタオルを持ってるのはいただけない!
その肉体美は目に毒だ。
私は両手で自分の顔を覆い見えないようした。
「…ひっ…!!ぎゃっ!」
白い毛の塊に飛び掛かられ、私はバランスを崩し、キッチンに倒れてしまった。
「キャンキャンっ!」
「やっ!!…む、むりっ!!!」
胸の上に飛び乗り嬉しそうに尻尾を振る白い犬。
「なんだ、犬苦手なのか?夏目。」
「だ、だめ!!犬は無理!特に小さくてキャンキャンするタイプ!!」
「まさにうちの犬じゃないか。…まぁでもここまで嬉しそうなのは珍しいな。」
腕で顔を覆い、どうにか逃げたくてもわたしの身体の上でじゃれついてきて動けない。
「ぎゃー!ほんっと無理ですっ!た、たすけて!」
「ははっ。」
ははっじゃないよ!バカじょーし!
ベロベロと手や頬を舐められ、背筋がぞぞっとした。
「大丈夫、噛まないよ。」
「そゆ…問題じゃ!…笑って見てないで、助けてくださいっ!」
「ふふっ。にしても、僕以外にここまで懐くのは珍しい。」
顎に手を当て冷静に考え込む降谷さんを殴りたいっ!
いいから、この犬どけて!
わんちゃんの足とか折れちゃうんじゃないかと、怖くて払い除けることも出来ない。