第7章 ruff ruff !?
ズボン、シャツとタグを外して畳んでいると、不意に玄関の外で気配がした。
私はその音に手を止め、玄関を見つめた。
ガチャリと開けられる鍵。
私は咄嗟に腰の後ろに隠していた銃に手を回した。
「…っ!?」
「なんだ、君か。」
入ってきたのは降谷さんだった。
玄関を閉め、気にせずどんどん部屋の中に入ってスーツの上着を脱いで行く。
…自分の家なのだから当たり前か。
「…あれ?」
ポアロの時間じゃなかったか。
と思い私は腕時計を確認したら12:15で、まだポアロの時間じゃなかった。
私の買い物が思いの外早く終わったのか。
「すみません。ポアロの時間に来るようにと言われたのに。」
「構わない。…何をしてる。」
降谷さんはネクタイを外しながら、キッチンの床に座る私を見下ろした。
「畳んでました。」
「それは見ればわかる。…あぁ、わざわざタグを外してくれてたのか。助かる。」
「いえ。スーツは勝手にあそこにかけさせてもらってます。」
バサッと白いシャツを脱ぎ上半身裸になった上司に驚き私は視線を逸らした。
…自分の家とは言え人前で脱がないでよ。
降谷さんは脱ぎながら奥の方へと入って行った。
聞こえてきたのはシャワーの音。
…えっと。帰っていいかな。
とは言え、黙って帰るのも…。
悩みながら私は服をまとめ、端に置くとシンクの中のコップが一つあったので、とりあえずそれでも洗って待つことにした。
カゴの中に洗い終わったコップを入れ、布巾があるかキョロキョロしていると、何か聞こえてくる荒い呼吸音。
「…?」
段々とその音が大きくなって、私は体を固まらせた。
「ハッハッハッ」
「…ま、まって!」
キャンっ!
と、高めの声が聞こえて、私は三歩下がった。
「い、いぬっ!」