第7章 ruff ruff !?
スーツだと不自然だから変装まではしなくていいが、私服で行くように。と言われ、ショッピングモールでスマホ片手にウロウロとしていた。
降谷さんはよく服が破れるんだそうだ。
確かに怪我もしょっちゅうしていたな。
腕の怪我とか自分で治療しづらいところを風見さんが包帯を巻いているのを何度か見たことがある。
サイズが書かれたメールをみて降谷さんがきそうな服を適当にどんどんレジに持って行った。
「上司の好みなんてわかんないや。」
降谷さんというより安室さんが着る服だろう。
私は降谷さん以上に安室さんが苦手だった。
あの笑顔を思い出しただけでぞわっとする。
胡散臭いというか、腹黒そうというか…。
服や日用品などを買い込み、そしてスーツを2着分、クリーニングから回収した。
2着分全く同じスーツだった。同じ方がどちらかが敗れた時とか対応しやすいだろうけど…。
私は安室さんの家に来た。
近所の人に見られないよう、周りをみてサッと預かっていた家の鍵を使って玄関を開け、中に入った。
…ここが安室さんの家。
意外とシンプルだった。
入ってすぐにキッチンがあり、奥に見えるのは畳の部屋で寝室のようだった。
…寝室は入ったらさすがにまずいな。
私は買い物したものをキッチンのテーブルにドンっと置いた。
このまま置いてさっさと帰っても良かったのだけれど…。
「…仕方ないな。」
買い物も出来ないくらい忙しいんだから、タグぐらい外しといてやるか。
と、クリーニングから回収したスーツを壁に勝手に引っ掛け、買い物したものをキッチンの床に出し、ひとつひとつタグを外し、たたみ直していった。