第7章 ruff ruff !?
あれから数週間大きなこともなく過ごしてる。
もちろん事件はひっきりなしに起こっているから忙しくはあるのだけれど。
「夏目。先日の爆弾消失事件の……。」
「はい。過去の同じような事件の資料をまとめて今降谷さんのパソコンに送ります。」
「あぁ。」
「先日逮捕したサイバーテロの容疑者の……。」
「はい。事情聴取されるのではと、公安から要請しています。この後11時からいけます。ポアロが13時からですのでその時間しか今日は行けません。」
「……あぁ。」
淡々と仕事をこなしていく。
忙しい上司の無駄な時間を無くそうと、降谷さんのスケジュールをなるべく頭に入れている。
もちろん不測の事態がよく起こるからスケジュール通りに動けることの方が少ないのだけれど。
降谷さんが出て行き、ふぅと一息。
「夏目。」
「はい!」
だらっとしていた時に声をかけられ私はビクッとして背筋を伸ばした。
声をかけてきたのは風見さんだった。
「午後の降谷さんがポアロに行っている間に頼みたい事がある。」
ゴホゴホっと咳をして、マスクをしている風見さんは少し顔が赤い。
「大丈夫ですか?」
「悪いが…代わりにしてほしい。」
「はい、なんですか?」
どうやら体調を崩した風見さん。
「降谷さんの買い物をして届けてほしいんだ。」
「…買い物?いつも風見さんがしてたんですか?」
「そうだ。…ごほっ!」
風見さんの仕事量だって多いだろうに、上司の買い物までしていたなんて。
「わかりました。買い物リストを送っておいてください。買ったものは…。」
「安室透の自宅に持っていってほしい。」
「……え?」
家に?
「私が、上司の家に行ってもいいんでしょうか。」
「降谷さんからの命令だ。」
「降谷さんが?」
「君をかなり信用してるんだろう。」
風見さんに教えられた住所を頭に叩き込み、送られてきた買い物リストを眺めた。
ーー信用してくれてるんだ。