第6章 素直に
30分ほど食べたり飲んだりした。
みーたんはとってもいい子で、安室さんばかりじゃなく、前に座ってるさとしくんに話しかけたり、終始にこにことしていて、
それはそれでヤキモキしていた。
とってもいい子なのはわかったから、もっと安室さんにアピールして欲しい、という私のわがままなのだが。
みーたんその爆乳で安室さんをアタック(古い)してくれないかなー…。
安室さんも安室さんで私の方に少しずつ近づいてきているような気がして、私は段々と端っこに追いやられていた。
掘りごたつの畳になっていて、たまに床に手をついていると、指先が当たることもあった。
…膝も、当たりそう。
「…せっかくだし、席交代しようかな。ね?安室さん。」
こそっと私は安室さんに伝えた。
「りっちゃんと変わって…。」
「すみません、ちょっとお手洗いに。場所教えてもらえません?めぐみさん。」
「…え。あの通路をまっすぐ…。」
「お酒入ってふらつくので、一緒に。」
にっこり笑って言う安室さんの表情は笑ってるのに有無を言わせない雰囲気が漂っていて、私は背筋を伸ばし、「はい。」と、答えるしかできなかった。
「こっちです。」
「ここで待っててくださいね?」
…はーい。
トイレの前でぽそっと言われ、私はゲンナリした。
何がふらつくだ。しっかり歩いてるじゃないか。
と、心でぶちぶち思いながら、私はトイレの前の壁にもたれた。
手をハンカチで拭きながら出てきた安室さんは私をじっと見つめた。
「席は変わらないからな。」
「え?みーたんとりっちゃんと2人とお話しした方が…。」
「めぐみが横にいろ。」
狭い通路で降谷さんに言われ、ドキッとした。
“夏目”じゃなくて“めぐみ”って…!
安室さんに引っ張られたのだろうか。
「横にいて欲しい。」
「…は、はい。」
不覚にもドキッとしてしまった。
そしてまたニコッと笑い安室さんには戻ると「席に戻りましょうか」と、平然と言ってのけた。