第6章 素直に
可愛い子だった。
「やっぱり高橋もあーいう子を彼女にしたいの?」
「そうだなー。俺はとりあえず仕事忙しいから会えた時に楽しんでくれる子がいいよなー。昨日の子は全力楽しんでくれそうだし、いいと思うよ。」
たしかにずっとにこにこして楽しそうにしてた。
ふわふわしてていかにも女の子って感じで。
「そっかー。私も笑お。」
「笑顔大事大事。」
私の好きな甘いコーヒーをちゅーっとストローで飲みながら、今度の会議で使う資料を作成していると、今日はなんだか機嫌がいい降谷さんに呼ばれた。
「夏目。」
「はい。」
立ち上がり、彼の横に立った。
私が昨日作成した資料をじっと眺め、ふと私を見上げると眉を寄せた。
「なに、にやにや笑ってる。」
「……。」
「気持ち悪い。ここのことなんだが…」
資料を指さしながら話を進める降谷さんの横で、もう上司の前では笑顔になるもんかと、私は決意した。
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今日は降谷さんを癒してくれる彼女を作って、上司の機嫌をとり、職場環境をよくしよう!という作戦のもと、私が主催する合コンの日だ。
先日高橋主催の合コンにきたふわふわの女の子の連絡先を聞いて、是非とも今回も参加して欲しいと頭を下げて、来てもらった。
笑顔で承諾してくれて、とっても優しい女の子らしい子だ。
きっと降谷さんにも合うだろうし、降谷さんだって顔だけはいい。顔だけは。
仕事もできるし、いい物件だ。
あと盛り上げ役で大学の同級生女の子を1人と、男の子を2人連れてきた。
彼らには前もって私の知り合いのために開いたから盛り上げ役よろしくと、根回しをしているので、実質合コンとして楽しむのは降谷さんとふわふわ女子の2人だけだ。
「我ながら完璧だ。」
上司のためにここまでやる私は偉いと思う。
待ち合わせ15分前に来て、私は携帯を見た。
これも全ては職場環境のためだ。